株主優待銘柄の総合利回り(配当+優待)の計算方法について

優待株投資について

 株主優待とは、それぞれの企業が定めている株数を権利確定日に保有している株主に対して優待券や金券、自社商品などを配布することを言います。

 配当金は20.315%源泉徴収されますが、株主優待には課税されません。とはいっても金券などは使った時点で、消費税として10%ほど持っていかれます。

 生活向上の実感が得られやすく、株式投資初心者へおすすめできる投資法になっています。

 詳しくは「株主優待でワンランク上の生活を送る方法」で解説しています。

配当利回りと優待利回り

 優待株投資をする上で利回りの計算は必須となります。総合利回りが分からないのに投資をするのはかなり危険です。

配当利回りとは

 配当利回りとは、株式会社から株主に支払われる株価に対する年間配当金の割合のことです。計算式は「配当金÷株価×100=配当利回り(%)」です。現在の株価が100円であり年間配当金が10円である場合は、「10円÷100円×100=10%」となります。

優待利回りとは

 優待利回りとは、株式会社から株主に配布される株主優待の価値に対する株価の割合のことです。計算式は「株主優待の価値÷(株価×株数)÷100=株主優待利回り(%)」です。100株で3,000円の金券を配布している場合は「3,000円÷(100円×100株)*100=3%」となります。

総合利回りとは

 総合利回りとは、「配当利回り+優待利回り=総合利回り」として表されます。つまり、1年間に受け取った株主としての分け前のすべてのことです。投資額に対してどれだけの見返りがあるかがわかります。基本的には総合利回りの高い銘柄に投資することが基本となります。

優待利回りは見せかけ上「高く」なっている

 株式会社は優待利回りを少しでも高く見せようとしています。自社商品(○○円相当)を配布している企業は「定価」で計算しています。普通にスーパーで購入すると1,000円しないような商品を「2,000円相当(配送料込み)」としています。スーパーで購入することができる2,000円分の商品ではありません。

 金券(優待券、お食事券)もちょっと注意が必要です。ワタミの3,000円の優待券とガストの3,000円の優待券では食事をできる回数や料理の量が明らかに違います。ワタミは居酒屋なのでお通し代がかかる上に、1品あたりの料理の量が少なく割高な値段設定になっています。一方、ガストでは日替わりランチが549円(税込み)と激安なので6回ほど食事をすることが可能です。

 企業の業種や営業形態によって額面が同じお食事券でも「使用感」は全く異なります。

 金券の中には、ヴィレッジヴァンガードのようにお買い物2,000円毎に優待券(1,000)円を1枚使用可能という厳しい条件を設けている場合もあるので注意しましょう。まとまった量の商品を購入する必要がある上に、ヴィレバン自体が商品を強気な価格で販売しているのであんましお得感がないです。

真の優待利回りの計算方法について

 そこで、株主優待の価値は見かけ倒しかどうか判定する必要があります。「真の株主優待価格」を算出し、本当おトク確認する方法について解説します。

真の株主優待価格の調べ方

1.実際にもらえるものを調査する

 まずは、各企業で公表している株主優待の物品や株主優待ブロガーが公開している「実際にもらえる中身」を調べます。

 例として、ヒロセ通商(7185)を100株購入したときの「真の株主優待価格」を調べてみたいと思います。「当社キャンペーン商品10,000円相当」がもらえます。もらえる株主優待は「りーえるさんの株主優待生活ブログ」様を参考にしました。

壁掛けカレンダー 1ヶ

水 1本

レトルトカレー 6種類 計12袋

フリーズドライどんぶり 4種類 計8袋

インスタントラーメン 4種類 計4袋

レトルトごはん300g 10ヶ

液体洗濯用洗剤トップ300g 1本

引用元:りーえるさんの株主優待生活ブログ

だそうです。

2.店売り価格のチェック

 次に実際に購入するのに必要な価格を算出します。

 スーパーや100均で購入すると仮定すると、

  • 壁掛けカレンダー 1ヶ 110円
  • 水 1本 70円
  • レトルトカレー 6種類 計12袋 1,800円(@150円)
  • フリーズドライどんぶり 4種類 計8袋 2,000円(@250円)
  • レトルトごはん300g 10ヶ 1,200円(@120円)
  • 液体洗濯用洗剤トップ300g 1本 300円

 合計すると、5,480円となります。自称10,000円の優待は、実質約5,500円の優待でした。ここまで価格差があると優待利回りは半減させた状態で考えなければいけません。

 スーパーなどで購入できないもの、お食事券や優待券は、メルカリやヤフオクなどのフリマアプリでの売却価格をチェックして「真の株主優待価格」とします。

3.真の優待利回りを計算する

 最後に真の優待利回りを計算します。計算式は、「真の株主優待の価値÷株価=株主優待利回り(%)」です。

 ヒロセ通商(7185)の現在の株価は1,774円(2020年4月19日)なので、「5,500円÷(1,774円×100株)÷100=3.1%となります。

総合利回りの計算式

 最後に総合利回りを計算します。総合利回りは、「配当利回り+優待利回り=総合利回り」で計算できます。

 ヒロセ通商(7185)の現在の株価は1,774円(2020年4月19日)なので、「5,500円÷(1,774円×100株)÷100=3.1%となります。

総合利回りの計算式

 最後に総合利回りを計算します。総合利回りは、「配当利回り+優待利回り=総合利回り」で計算できます。

 ヒロセ通商(7185)の現在(2020年4月19日)の総合利回りは、「1.47%+3.1=4.55%」となります。

かんたん計算エクセルシート

 総合利回りを計算するのはぶっちゃけめんどくさいです。ちょっとでも楽に優待利回りが計算できるようにエクセルファイルを公開しておきます。よかったら使ってください。

 表計算ソフトを持っていないのであれば、LibreOfficeかGoogleスプレッドシートを使うことをおすすめします。両方とも無料で使用することができます。ちゃんとしたソフトが欲しければ、WPSofficeかMicrosoftOffice(Excel)を購入しましょう。

ダウンロード先

総合利回り計算シート(.xml)

総合利回り計算シート(.odc)

表計算ソフト

LibreOffice(calc)

Googleスプレッドシート

WPS Office Standard Edition(Spreadsheets)

MicrosoftOffice(Excel)

まとめ

  • 株主優待には税金がかからない。
  • 株主優待は投資、生活向上の実感が得られやすいので初心者におすすめ。
  • 優待利回りは見せかけなので、真の優待利回りの計算が必要となる。

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