住めば都?地方に住むと貧困層になる

地方から都会に引っ越して格差を感じた話です。
地方と都会には埋めることができない溝があります。
実体験をもとにその理由について語りたいと思います。

仕事面(歯科医師)

治療技術を上げることが難しい


 歯科医師として困ったことの一つに地方では勉強会、セミナーが開催されていないことが挙げられます。質の良い勉強会は東京と大阪の二箇所に集中しています。

 私は盛岡に住んでいましたが、週末の2日間の勉強会に参加するためには、勉強会代10万円、新幹線代3万円、ホテル代1万円の14万円かかりました。これは地方に住んでいる人の20代の手取り月収に相当します。勉強会に参加するための交通費と宿泊費で4万円もかかりました。4万円もあればそこそこの良い講演会形式の勉強会に参加できるレベルです。

 こういう状況では継続的に治療技術を上げることが難しくなります。都会のほうが地方よりも歯科医師の治療技術が高い理由です。

自費診療が決まらない。


 地方では平均的な収入が低いため、自費診療を希望される患者様は少ないです。都会では自費診療を希望される割合は体感で地方の4-5倍はあります。

口コミの影響が大きい


 地方では、口コミで歯科医院の評判が広がりやすく良い噂よりも悪い噂が拡散しやすいです。患者様は神様と思って接する必要があります。

説明や治療に時間をかけなくても大丈夫


 地方では、おおらかな性格の人が多く、治療に文句を言う人が少なかったです。治療の詳細な説明を求めらることもあまりなかったように感じます。高齢者が多く、長い説明を聞くのが億劫だったり、視力が落ちて治療のクオリティが判断できないだけのような気もしました。

経済面

収入が少ない


 地方では時給700円台が普通です。仕事の募集も少なく、仕事は選べません。経営者側もそれをわかっていますので、今後も給料が上がることはないでしょう。
以前の勤務先の院長は、「地方の方が人件費がかからないから開業しやすい」とも言っておりました。

車は必須


 地方では徒歩10分圏内に安いスーパーやコンビニはありません。常陽銀行様のサイトによると、1年間にかかる維持費は軽自動車で約30万円、普通車で38万となっています。10年間乗ること前提で車本体の値段(軽自動車200万、普通車300万)を加えますと、軽自動車で約50万円、普通車で68万となります。地方の平均年収は約350万円、手取りで約290万円ですから非常に大きな負担になります。収入が低い上に交通費がかかるのでヘルモードです。

 都会なら駅近に住めば車を所有する必要がなく、実際に使う機会は少ないですがカーシェアという選択肢もあります。

地方は生活費が少ないは間違い


 地方ではスーパーの数が少なく、人口が少ないため薄利多売というわけにはいかないので食料品や日用品の値段が高いです。西友やドンキ、業務スーパーに行けるのは都会だけです。

 統計上では地方の方が食費は安いですが、単純に農家が多いから平均値が下がっているだけです。勘違いしてはいけません。

光熱費がかかる


 北の地域は、雪が降ってものすごく寒いので常時暖房を入れる必要があります。あまりにも暖房費がかかるので福利厚生のしっかりした企業の正社員には、冬の間は燃料手当が支給されている地域もあるくらいです。

家賃は安い


 東京と比べるとさすがに地方は家賃が安いです。しかしながら、埼玉や千葉であれば駅近なのに地方と同じくらいの家賃の物件も存在します。家賃が安いことを理由に地方に住むことはありえません。

人間関係

結婚相手を見つけるのが大変


 女性に人気のある婚活中の高収入のできる男性は都会にしかいません。また、男性側から見ても専業主婦希望の女性が多く結婚後の生活が不安になります。

 結婚相談所の方も婚活するなら都会に引っ越せとおしゃっています。

デート先がない、遊ぶ場所がない


 地方で遊ぶ場所はイオン、ラウンドワン、観光地、カラオケくらいしかありません。

 東京に住んでいれば、1万円があれば日帰りのはとバスツアーに行けます。楽しい生活がしたいなら都会です。

社会人サークルが少ない


 地方に若者はいないので社会人サークルの種類が少ないです。平日休みの人だと参加はまず無理です。趣味によっては生活の質に直結すると思います。

まとめ

 地方に住むメリットは皆無です。都会と地方には絶対的な格差があり、地方に住むと貧困層一直線です。住む場所で年収や生活は決まります。「住めば都」という言葉はもはや死語になっています。

YouTubeで解説中