【書評】賢明なる投資家 - 割安株の見つけ方とバリュー投資を成功させる方法


賢明なる投資家 - 割安株の見つけ方とバリュー投資を成功させる方法

 億り人になった私のいとこはグレアムの方法で250銘柄ほど保有しているという。投資手法について聞いてみたら本書を紹介された。これからの投資のパフォーマンスをさらに上げるために「懸命なる投資家」を読んでみた。

どんな本?

 専業のトレーダー向けの「株式と債券取引をどうやったらいいか」の指針が書かれた本です。防衛的(ディフェンシブ)投資について書かれています。防衛的(ディフェンシブ)投資とは、なるべく損しないように投資する方法です。複数の安全と言われている銘柄(電力、ガス、食料品、薬、鉄道)に投資することを言います。生活必需品なので、景気の悪さに左右されにくいと言われています。

 米国市場を解説した内容であるため、投資歴10年の私でさえ理解することが困難な内容でした(笑)。深く読み込もうとせずにサラッと読み流してエッセンスだけ掴み取るようにするといいと思います。

 タイトルは、「賢明なる投資家 - 割安株の見つけ方とバリュー投資を成功させる方法」です。パンローリングから2000年に販売開始されました。価格は4,104円です。結構いいお値段がする本です。

本のまとめ

  • 本書の内容を一言で表すと、「毎月セゾン投信の積立をしろ」セゾン投信とは、世界株50%、債券50%で安定した収益を得ることを目標にした投資信託です。
  • 一つの銘柄に投資するのはだめ。銘柄を分散して適切なリターン(市場平均)を得るのを目標にする。
  • 株と債権を基本的には50:50で持つようにする(セゾン投信)。景気が良ければ株の比率を75%に、景気が悪ければ債券の比率を75%にする。
  • 債権の代わりにMRFやMMFを短期国債として持つのもアリ。
  • 株価変動を予測する必要のあるグロース(成長)株(値動きが激しい)とIPO銘柄(ソフトバンクなど)は高値づかみをしやすく、暴落しやすいので手を出さない。
  • 明らかな高利回りの商品は、デフォルト(債務不履行、借金の踏み倒しのこと)のリスクに見合わないので手を出さない。
  • 長期的に収益を上げていて、財政状態の良い優良企業の株(業績が上昇している、PBRが1.0以下、自己資本比率が良い、長期的に安定した配当を出している)をドルコスト平均法で手堅く投資する。

自分の投資手法との比較

  1. 本書では世界株50%、債券50%での投資を勧めているが、私は30年株を持つつもりなので株式100%で運用している。30年持つつもりならば、一時的に株価が下がろうとも大丈夫である。
  2. 私は、分散投資として米国株のインデックス投資ができるVanguard社のVOOとVTIをメインに投資している。これは本書が勧めている手法と一致している。
  3. 私は、個別株で「Amazon」や「Visa」といったグロース株を保有している。本書ではグロース株の保有は避けるべきと記載されているが、今後明らかに伸びていくとお思われる分野に投資しないのは機会損失だと思う。

 グレアムが投資していた時代と現代は状況が異なっています。自分なりにグレアムの方法をアレンジすることでより良い投資結果が出るようにして行こうと思います。

感想

 初心者には、「生き残りのディーリング(矢口新著、パンローリング)」の方が内容がわかりやすく内容も濃いのでおすすめです。具体的にどのように資金管理したらよいかなどの指針が示されています。投資だけで食べていく専業になりたい人は、本書を頑張って解読すると役に立つかもしれません。

 個人的には、投資は副業として行うのが良いとお思います。本業からの安定した確実な収入のあるサラリーマンをやりながらであれば、心に余裕が持てるからです。心に余裕ができると、投資結果も良くなると思います。

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